診断士養成課程の歩き方~ハーバード経営学PhDリケジョは語る!~

診断士養成課程(+MBA)を修了後、ハーバード大学の経営学PhDへ進学したリケジョのともかが、養成課程の意義や授業内容等詳細をお届けします!皆さんのキャリア形成の一助になればと嬉しいです!

新製品の開発手法~養成課程(MBA)で学べる事~

この記事では、養成課程(MBA)を通じて、新製品の研究開発を推進する力が劇的に身に付くということをお話しします。「えっ!?研究や開発なら技術系の資格の方が良いんじゃないの?」そう思われる方も多いと思いますが、経営全般の知識を網羅的に学べる養成課程(MBA)だからこそ、身に付く思考スキルというのもあります。この記事を通じて、皆さんの知らない養成課程(MBA)の効果について、語りたいと思います(^^)/

 

1.研究開発なら理系の大学院や技術系の資格の方が良い?

養成課程(MBA)に在籍していたころ、私は、当時所属していた計測器メーカで、新製品の開発リーダーでした。私は理系の大学院を出ていたので、技術系の知識については、ある程度自信があり、率先して自社の既存製品の改良等を進めていました。既存製品が売れている間は、その品質改良が開発の主な仕事であったため、これまでの「技術を深める」ことが、メインテーマでした。よって、技術者として、これまでの知識を自分たちで深めることに専念すればよいので、自身の技術的なバックグラウンドのみで太刀打ち可能でした。

一方で、現代のように変化の激しい時代は、既存製品の改良では、顧客ニーズに応えることができず、メーカは必然的に新製品の開発を行う必要があります。新製品の開発には自社の強みである既存のノウハウのみならず、弱みとなる部分の改善が必要となります。そんな時、自社の弱みとなる部分まで自分たちで全て賄おうとすると、強みに特化することができないため、経営効率が下がります。よって、外部からの専門性の導入(他社との連携等)が必要不可欠となります。

他社との連携を行う上で、交渉を優位に進めていくには、経営の知識は不可欠です。自身の専門分野である技術的な話だけをしても、他社はついてきません!これは、私が当時痛感した出来事でした。

他社と共同で研究開発を行う場合は、技術的な打ち合わせのみならず、契約のこと(法務)、支払いのこと(財務)、部品供給の価格や納期等、多くの交渉事があります。それら多くのことを、お互いにGIVE&TAKEが成り立つように交渉を進めないと、持続的な研究開発はできません。

新製品の開発を任された当時、中小企業診断士の一次試験の勉強をしていたことで、最低限の交渉は何とか一通りこなしてはいました。しかし、経営の知識という意味では十分でなく、初めの頃は、研究開発が思うように進まない日々が続きました。当時の私の経営に関する知識はあくまで「暗記した知識」(経営用語や戦略フレームワーク等)であり、実践的なノウハウにまで落とし込めていなかったのです。

 

2.養成課程(MBA)に進んでからの研究開発戦略

しかし、養成課程(MBA)に入ったことをきっかけに、私の研究開発プロジェクトは転機を迎えました!社内のメンバーや連携先の企業が、徐々に協力的になり、「頑張ろう」という一体感が芽生え始めたのが見てとれました。

養成課程(MBA)の演習では、膨大な量のケース(過去の企業の成功事例・失敗事例等)を読み、仲間と議論を行います。この「議論」が肝なんです!講師や仲間とのディスカッション(アウトプット)こそが、論理的思考力やリーダーとしての姿勢を鍛えるトレーニングになります。結果、周囲が協力してくれる体制を築くことができるのです(^^)/ 養成課程に進学して2~3か月後、私の働きかけ方に変化があったこともあり、これまでプロジェクトに積極的でなかったメンバーが徐々に歩み寄ってきてくれるようになりました。

大きなことを成し遂げるには、周囲の協力が不可欠です。その周囲をまとめる能力が少しは身に付いたのではないかと考えています。結果、連携先企業とのシナジーが生まれ、新製品開発は劇的に進むようになりました。

経営の知識を習得するだけなら、一次試験の学習や新聞・ビジネス書を読むことで身に付けることができます。しかし、それはあくまで知識の「インプット」に留まります。真の実践的な学びは「アウトプット」だと私は考えています。それに気付かせてくれた養成課程(MBA)に私は深く感謝しています(^^)/ 皆さんも検討してみてはいかがでしょうか?