診断士養成課程の歩き方~ハーバード経営学PhDリケジョは語る!~

診断士養成課程(+MBA)を修了後、ハーバード大学の経営学PhDへ進学したリケジョのともかが、養成課程の意義や授業内容等詳細をお届けします!皆さんのキャリア形成の一助になればと嬉しいです!

経営戦略論(IBMの再建)~養成課程(MBA)で学べること~

養成課程で具体的に何が学べるかについて、ブログ読者の皆様から多くの質問を頂きましたので、授業の内容を差し支えない範囲でできる限り詳細にお伝えしたいと思います(^^)/

本記事のテーマは経営戦略で、私自身が過去に参加したIBMの再建に関する授業の中身をご紹介します!
わかりやすさを優先しているため、かなり意訳してますが、ご了承下さい(笑)

<ケースの概要>
IBMアメリカのIT企業です。過去はメインフレーム(大型のパソコン)のメーカとして、モノ売りに専念していました。しかし、1990年代にメインフレームが価格競争に陥り、売上が思うように伸びない事態を経験しました。
そこで、コト売り(パソコンを用いた業務改革の提案)をし、顧客企業の戦略立案段階から参入することで、ソリューションを提供する戦略に切り替えました。
全社の統合(ONE IBM)を図ることで、規模を活かし、IBMという一つの窓口で全てのソリューションを展開できるようになりました。

【授業でのディスカッション概要】
IBMの当初の強みは何だったか?
→規模の経済によるコストリーダーシップ。モノを作れば売れる時代はいかに効率よくモノを作るかが成功の鍵。そのため、企業規模が大きいことが成功要因である。

なぜ、IBMは危機に陥ったのか?
→パソコン周辺機器を安価に製造できる競合企業が増え、価格破壊が起こったため。
顧客からすると、パソコン、プリンター、その他システム、コンサル、をそれぞれバラバラに別の企業に発注するのは、手間であった。当時IBMの社長であったガースナー氏は顧客のその立場を経験し、不便さを感じていた。購入したそれぞれの機器を組み合わせて使用することは、顧客に取って難しいことである。

IBMは危機をどうやって切り抜けたか?
→全社を統合し、総合的なソリューションサービスを提供できるようにした。個々のパソコン周辺機器とコンサルティングを全てIBM一社でできるようにすることで、付加価値を高めた。他のIBMより規模の小さい企業ではなし得ない技であり、差別化に成功。今日のIBMの礎となっている。

経営学との関連性
→製造業のサービス化(モノ売り→コト売り)による成功事例である。会社組織を統合することで、様々なサービスを一つの窓口でできるようにした。
もし、個々の製品の製造の効率化のため、分社化していたら、統合ソリューションは提供できていなかったであろう。

以上、かなりざっくりですが、MBAの授業概要はこんな感じです!!

実際は授業の中で、あーでもないこーでもないという議論が繰り広げられ、ファシリテーターである教授がうまく議論を収束させて行ってくれます。
上記の個々の質問は、事前に「アサイメント」という形で学生の課題となっているもので、答えを作成して授業に臨みます。
クラス全体での授業の前には、小グループでのディスカッションもあり、学生同士がお互いに意見交換することで、自身の考えを整理した上で、クラス討議に臨みます。

このように養成課程(MBA)では、試行錯誤やアウトプットの機会を豊富に得られることで、論理的思考力を養うことができます。独学では磨くことが難しい能力なので、費用対効果はやはり大きいですよ(*^^*)検討の一助になれば幸いです\(^o^)/